コロナ禍 ー2020年3月〜8月ー

久々のブログ更新です。 もともと不定期更新でしたが、コロナ禍で考えさせられることも多く、何かを発信するのに慎重になっていたせいでもあります。 個人的なことですが、昨日の誕生日のメッセージでたくさんの方にご心配いただいていたので、今日までのことを簡単にご報告しようと思います。 フィリピンで初めてコロナウイルス感染症のケースが発覚したのは、2020年1月30日、中国武漢からの中国人女性でした。 すぐに中国の空港の発着便をストップするなど政府の対応は迅速ではありましたが他国同様コロナウイルス感染症は徐々に増えていきました。 私は、例年どおり日本に帰国するスケジュールを立てていました。 予約していた香港経由の飛行機がキャンセルになったので、すぐにマニラ経由の便を予約しました。 この時点ではコロナ禍が現在のように世界中に広まるとは思っていませんでした。 これはちょっと緊急事態かもしれないと思ったのは領事館から次のメールが届いた時でした。ちょっと長いですが、以下メールをそのまま引用します。 フィリピンにお住まいの皆様及び旅行者の皆様へ 在ダバオ日本国総領事館 1 3月12日,ドゥテルテ大統領は,新型コロナウイルスの対策として,次の措置をとることを発表しました。 (1)公衆衛生警戒水準をコード・レッド・サブレベル2(最高レベル)に引き上げる。 (2)マニラ首都圏において次の措置を30日間とる。 ・マニラ首都圏の全てのレベルの学校を4月12日まで閉鎖。 ・期間中、多くの人が集まるイベントは禁止。 ・.マニラ首都圏全体について隔離措置をとる。それ以外の地方は、異なる家庭から二人の患者が出た段階でバランガイ隔離。二つのバランガイに出た段階でミユニシパリテイ、シテイ等のレベルで隔離、二つのミュニシパリティ、シテイ等に出た段階でprovince全体を隔離する。 (注:アニョ内務地方自治大臣は,マニラ首都圏外からマニラ首都圏への通勤は,マニラ首都圏で雇用されていることの証明を提示すれば可能と発言。) ・行政機関は期間中機能停止。ただし最低限の職員は維持。公衆衛生等は完全に機能させる。立法・司法も同様にすることを勧告 ・民間企業には柔軟な業務体制を取ることを推奨。DOLE(労働雇用省)・DTI(貿易産業省)がガイドラインを発出。製造・小売り・サービス業は営業継続を勧告。 ・首都圏内の公共交通機関は原則として継続して運航する。 ・首都圏に出入りする陸路、内航船舶、国内便航空機は3月15日に停止。 ・上記措置は毎日モニターし決定から毎日再評価する。上記措置は,フィリピン国家警察やフィリピン国軍によって実施される。 (3)マニラ首都圏以外の地方自治体(LGU)は学校の閉鎖に裁量を有する。 (4)フィリピン人国外労働者(OFW)は,湖北省を除く中国本土に,危険を理解する旨の誓約書に署名して渡航することが認められる。 (5) 国内感染が起きている国(注:日本を含む。)からの渡航者は入国制限を課される。ただし、フィリピン人及びその外国人配偶者・子,フィリピン政府が発行した永住査証所持者、9(e)外交査証所持者は除く。 2 3月12日,ダバオ市は,「封鎖ではない」と説明していますが,新型コロナウイルスの対策として,次の措置をとることを発表しました。 (1)ダバオ市住民は不要不急の市外への移動を控えて下さい。 (2)ダバオ市に滞在している短期旅行者にダバオ市からの早期出発を推奨します。 (3)ダバオ市への旅行を予定している方は,公衆衛生緊急事態が解除されるまでの旅行を控えて下さい。 (4)公衆衛生緊急事態が解除されるまで,会合,集会,展示会,会議,パーティー等を中止して下さい。 (5)公衆衛生緊急事態が解除されるまで,全てのレベルの学校の授業を中止し,オンライン学習及び自宅学習に切り替えて下さい。 (6)公衆衛生緊急事態が解除されるまで,全てのレストラン,ホテル及び他のイベント場は,予定されている行事を延期して下さい。 (7)ミサ,祈祷会及び宗教的集まりへの出席を控えて下さい。 (8)自宅に留まり,公共の場への外出を控えて下さい。 (9)ダバオ市政府及び企業の全ての長に対し,大部分の職員に自宅勤務させる権限を与え,役所は,政府の仕事が中断しないための最小限の体制を取ります。 (10)ダバオ市政府の全ての役所にて訪問客の受け入れ行いません。市代表電話(082-241-1000)又は該当する事務所にメールにて連絡をして下さい。 (11)ダバオ市政府への提出物については,ダバオ市レクリエーションセンター(アルメンドラスジム)にて受領します。 3 フィリピン保健省は,フィリピンにおける新規新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を3月8日夕刻に発表された4例に加えて,10日に9例,11日に16例,12日に3例確認し,合計52例となった旨発表しました。また,初のフィリピン人の死亡者1人を確認し,死亡者の合計が2人になったことを発表しました(詳細は,下記リンクのフィリピン保健省報道発表を参照願います。)。 4 皆様におかれましては,下記リンク先その他の信頼できる情報源からの最新の情報の入手に努め,冷静に対応してください。適切な手洗い,会話の際には2メートル以上の距離を置く,咳エチケット等は特に心がけてください。万一,新型コロナウイルス(COVID-19)に感染のおそれがあり,発熱や喉の痛み,咳等の症状がある場合には,あらかじめ医療機関に電話連絡してから,早めに受診するようにしてください。 なお,フィリピン保健省は,保健省(DOH)ホットライン:(02)8-651-7800 内線1149,1150への電話も呼びかけています。  ~以上メールからの引用 その後3月18日以降、ダバオ地域は全面的入域を制限、空港封鎖、夜間外出禁止、食料品を売る店と薬局以外は営業禁止など日に日に制限が増えていきました。 混乱も多く、朝令暮改の行政命令もありました。 当然私たちの学校でも生徒は通学禁止、すぐにオンラインに切り替えました。 先生や事務のスタッフも通勤が難しくなったので3月18日以降は在宅勤務としました。 フィリピンはインターネットの環境はいいとは言えませんが、インターネットを利用する事には慣れているのでグーグルクラスルームやグーグルミートを利用しての授業、メッセンジャーなどのテレビ電話を利用しての新規生徒へのオリエンテーション、面接なども継続することが出来ました。 私は日本への帰国便の予約を何度か試みましたが、結局キャンセルになってしまうのでこのままダバオに留まるしかないかと思っていた時に、知人の方が「フィリピン観光省が帰国が困難な外国人のためにマニラ空港までのフライトを出すから連絡してみたら」と勧めてくださいました。領事館からも同様のメールが来ました。 この時点では日本の方が感染者数も多かったし帰国中に感染するリスクも考えましたが、日本の家族とも相談し、一人でこの状況に立ち向かうのは不安が大きかったので、帰国することを決断しました。 それからはマニラから成田へのフライト、成田から地元へのフライト、マニラのホテル、成田のホテルを予約したり、3か月分の水道光熱費や家賃を先払いしたりトランクに荷物を詰めたりと大忙しでした。 ダバオ空港へはタクシーで向かいましたが、空港は封鎖されているのでタクシーは空港の前までで、そこからは用意された専用のリムジンバスでの移動でした。 当然日本人だけではなくいろんな国の方がいらっしゃいました。 バスの中では無料のペットボトルの水やランチボックスが配られました。 時間はずいぶん遅れましたが無事出発できました。 マニラでは予約していたホテルが何の連絡もなくキャンセルになっていたり、ぼったくりタクシーにあったり、成田へのフライトが5時間以上遅延した上に行き先が羽田に変更になったりトラブル続きでした。 その都度、成田のホテルへキャンセルの連絡をしたり羽田から地元へのフライトを予約したりと大変ではありましたがまあ、無事に帰国できただけでもよしとしなければならない状況でした。 2週間の検疫留置措置対象になる以前に日本に到着することはできたのですが、念のため2週間は自主的隔離生活を送りました。 身内以外には帰国したことも当分、知らせませんでした。 日本では、他国と比較して全く制限なく自由に生活している割に、海外からの帰国者に対する風当たりが強かったからです。 その後は皆さん同様、緊急事態宣言下の生活を経て現在に至ってます。 実家に行ったり、友人と会うこともできました。 通常は家事をしながら、テレワークでダバオの学校の仕事をしています。 日本でも今コロナウイルス感染の第2波がきていますが、フィリピンではいつのまにか日本の感染者数を追い越して2020年8月6日現在の総感染者数は119,460名、ダバオ市は950名となっています。 でもフィリピンでも経済への影響を配慮して少しずつ制限を緩和している段階です。 そうなると自主規制に頼るしかありませんからちょっと心配ではあります。 サラ市長(ドゥテルテ大統領の娘)も市民に向けて引き続き不必要な外出を控える、外出時は必ずマスクを着用する、ソーシャルディスタンスを保つ、手洗いうがいを徹底することを呼びかけています。